幼稚園・小学校・中学校の人造研ぎ出し補修・改修/手洗い場の人研ぎ施工事例

幼稚園・小学校・中学校などの学校施設では、昔から人造研ぎ出し(人研ぎ)仕上げの手洗い場や流し台が多く使われています。

人造研ぎ出しは、セメントと寒水石などの骨材を塗り付け、表面を研磨して仕上げる工法です。

非常に耐久性が高いため、施工から数十年経過した現在でも使用されている人研ぎ手洗い場が数多く残っています。

しかし、長年使用していると、
・表面の汚れや摩耗
・角部分の欠け
・ひび割れ
・部分的な破損
・補修跡の劣化
などが発生することがあります。

今回は、約40数年前に施工された幼稚園の人研ぎ仕上げの手洗い場の水道設備の改修に伴い、一面を斫りとばして部分補修を行いました。

人造研ぎ出し(人研ぎ)とは?

人造研ぎ出し仕上げとは、セメントに寒水石などの骨材を混ぜた材料を下地に塗り付け、硬化後に研磨して石の表情を出す左官仕上げです。

「人研ぎ」「人造石研ぎ出し」「現場研ぎ出し」などと呼ばれることもあります。
表面を研磨することで骨材が現れ、天然石のような独特の風合いになります。

人造研ぎ出しの主な特長

高い耐久性

適切に施工された人造研ぎ出しは非常に強固で、学校や公共施設など長期間使用される場所にも適しています。

部分補修・改修ができる

劣化した部分だけを撤去して、新しく人研ぎを施工することも可能です。

既存の色や骨材に合わせて施工できる

寒水石などの骨材やセメントの色を調整することで、既存の人研ぎに近い雰囲気に仕上げることができます。

学校・公共施設で長年使われてきた実績がある

幼稚園、小学校、中学校をはじめ、公共施設の手洗い場、流し台、階段、床、壁、ベンチなど、さまざまな場所に使用されてきた仕上げです。

【施工前】約40年前に施工された人研ぎの手洗い場

今回補修するのは、施設に設置されている人造研ぎ出し仕上げの手洗い場です。
約40年前に施工されたもので、長年使用されてきたため表面には汚れや経年劣化が見られました。
ただし、今回は水道設備に伴う箇所だけの部分補修を行います。


(施工前)
『施工前の人研ぎ仕上げの側面です。』

【工程1】既存の人研ぎを傷めないように切り込みを入れる

部分補修で重要なのが、残す部分と撤去する部分の境界処理です。
そのまま斫ってしまうと、撤去する必要のない既存人研ぎまで割れたり、角が欠けたりする可能性があります。
そのため、既存部分の角を傷めないようにあらかじめ切り込みを入れ、補修範囲を明確にしたうえで慎重に撤去します。
全面改修とは異なり、「残す部分を壊さず、必要な部分だけを撤去する」技術が部分補修では重要になります。

【工程2】古くなった人造研ぎ出しを斫って撤去

切り込みを入れた後、電動工具を使用して既存の人研ぎを斫っていきます。


(人研ぎの斫り・撤去作業)
『補修する部分の既存人研ぎを慎重に撤去していきます。』

実際に斫ってみると、約40年前に施工された仕上げとは思えないほど硬く、また接着していて、撤去にはかなりの時間を要しました。(*びっくりするほどの強度です。)

表面には長年の使用による汚れがありましたが、内部はシミもなく、非常に強固な状態でした。

この撤去作業からも、人造研ぎ出しが長期間使用できる耐久性の高い仕上げであることが分かります。(現在のような性能のよい接着剤がなかったにもかかわらず、強固に接着していたのには驚きでした。)

【工程3】既存に合わせて人造研ぎ出しを塗り付ける

既存部分を撤去した後、新しい人造研ぎ出し材料を塗付けていきます。
今回のような部分補修では、新しく施工した部分だけが極端に目立たないようにすることが重要です。
そのため、既存と同じ種類の骨材を使用し、周囲の人研ぎにできるだけ近い色合い・骨材感になるよう調整しました。


(人研ぎ材の塗付け)
『まわりに合わせた色、骨材を選んで塗付けます。』

人造研ぎ出しは、材料を塗り付ければ完成ではありません。
材料を塗付け、十分に硬化させた後、表面を研磨して骨材を出すことで、初めて人研ぎ特有の仕上がりになります。

【施工後】既存の人研ぎに合わせて補修完了

研磨作業を行い、補修工事が完成しました。


(人研ぎ改修・施工後)

(人研ぎ改修・施工後)

新しく施工した部分が周囲から大きく浮いて見えないよう、既存の骨材や色合いを確認しながら仕上げていきます。
人造研ぎ出しは、既存部分を活かしながら必要な部分だけ補修できることも大きなメリットです。

約40年前の人研ぎを撤去して分かった「人造研ぎ出しの耐久性」

今回の施工で特に印象的だったのが、約40年前に施工された人研ぎの硬さです。
長期間使用されて表面には汚れや劣化が見られるものの、斫り作業を行うと想像以上に強固で、簡単には撤去できませんでした。

人造研ぎ出しは、
・セメントと骨材による強固な仕上げ
・下地との高い一体性
・研磨による緻密な表面
・長期間使用できる耐久性
などを備えています。

学校や公共施設など、毎日多くの人が利用する場所で昔から採用されてきた理由の一つが、この耐久性にあります。

古い人研ぎの手洗い場は撤去せず補修できる場合があります

学校施設の改修では、水道の漏れや予算面もありますが、古くなった手洗い場をすべて撤去して、新しい製品へ交換する方法だけが選択肢ではありません。
既存の人造研ぎ出しが十分な強度を保っている場合には、既存部分を活かし、傷んだ部分だけを人研ぎで補修・改修できる場合があります。

全面撤去を行わないことで、既存の形状や昔ながらの人研ぎ雰囲気を残せることもあります。
ただし、ひび割れや欠損の原因が下地や躯体そのものにある場合は、表面の人研ぎを補修するだけでは再び影響が現れる可能性があります。
そのため、実際の補修方法については既存人研ぎの状態や下地を確認したうえで判断することが重要です。

学校・幼稚園・公共施設の人研ぎ補修に対応しています。

塗り壁創造館では、既存の人造研ぎ出しを活かした部分補修から改修、研ぎ出しの新設施工まで対応しています。

対象となる場所は、例えば次のようなものがあります。
・幼稚園・保育園の手洗い場、滑り台
・小学校・中学校の手洗い場、流し台
・学校施設の床・階段
・公共施設の人研ぎ仕上げ
・人造研ぎ出しのベンチ
・人造研ぎ出しの部分補修
・既存人研ぎを活かした改修工事

「古い人研ぎを壊さずに直したい」
「昔の人造研ぎ出しと同じような仕上げで復旧したい」
「既存の骨材や色に近づけて補修したい」
「滑走面がザラザラで滑らなくなった滑り台を滑るようにしたい」

といったご相談にも、現状を確認しながら施工方法をご提案します。

*その他の人造研ぎ出しの施工事例についてはこちら