人研ぎ仕上げの滑り台を塗り替え 40~50年経過した滑り台を安全に再生する方法
公園などでよく見かける人研ぎ(人造研ぎ出し)仕上げの滑り台は40、50年も経つとどうしても滑りにくくなったり、ひび割れなどの経年劣化が発生します。
今回は、長年使用されてきた人研ぎ滑り台を安全に滑れるように塗り替えリニューアルした施工事例をご紹介します。
施工前の状態|滑らなくなった人研ぎ滑り台
長年の経過によって、滑走面には
・表面劣化でザラザラしている
・過去に補修された部分の剥がれ
・ひび割れ
・強度の低下(部分的)
などが確認されました。
ただし、人研ぎ仕上げの滑り台は元々非常に強度が高く、表層を除けば躯体そのものはしっかりした状態でした。
![]() (施工前) |
![]() (施工前) |
なぜ全面撤去ではなく、部分斫り+再施工 にしたのか
人研ぎの滑り台を、全面撤去して作り直すとなると、費用も工期も大きく膨れます。
そこで今回は、
・劣化の大きい部分だけを斫って撤去
・既存の良好部分は活かす
・その上に新しい仕上げ材を施工
という最小限の解体で最大限の効果を得る方法を採用しました。
下地処理|補修跡の処理と部分研磨
過去に補修されていた箇所を適切に処理し、さらに滑り台全体の下地処理を行いました。
・補修材の除去
・ひび割れ部分の補修
・表面の不陸調整
・新しい塗り材が密着するよう下地材の塗付け
人研ぎの滑り台の劣化状況も様々で、最も適した下地処理を施す必要があります。
![]() (下地処理) |
人研ぎ材料の耐久性は非常に高い
以前に、違う現場で人研ぎ仕上げの手洗い場の壁を斫った際、50年経過しているのに驚くほど硬く、接着性が高いため、斫り作業に大変苦労した経験があります。
このことからも、人研ぎ仕上げは
「耐久性に優れた建材」
であり、適切にメンテナンスすれば長期使用が可能です。
![]() (人研ぎの斫り作業) |
左記画像がその時の事例です。 |
今回の塗り替え工事で滑りやすさを改善
下地処理後、新たに塗り替え施工することで、
・滑り性能の向上
・表面強度の回復
・見た目の美しさの改善
・子どもが安心して遊べる安全性の確保
などが実現できました。
![]() (塗り込み中) |
![]() (塗り込み中) |
乾燥とともに表面に石が散りばめられるように伏せ込んで仕上げていきます。
![]() (施工後) |
乾燥後、研磨を行い作業は完了です。
![]() (施工前) |
![]() (施工後) |
まとめ|人研ぎの滑り台は「塗り替え」でまだまだ長持ちする
40~50年経った人研ぎの滑り台でも、
適切な部分斫り+下地処理+塗り替え
を行うことで、安全に蘇らせることができます。
・公園設備の長寿命化
・コストを抑えた再生
・施工期間の短縮
を同時に実現できるため、メンテナンス方法として非常に有効です。








